【ベランダに】日立製作所の裏事情 20【鳩が来ます】
日立グループ社員の皆様へ
2002年10月31日
株式会社日立製作所
取締役副社長 熊谷一雄
当社の株式に関するお願い
皆様におかれましては、日立グループの業績向上のため日々ご
尽力をいただいておりますことに、改めて心より御礼申し上げま
す。
さて、皆様に、当社の株式に関してお願いがあります。
ご承知の通り日本の株式市場は低迷が長期化しております。
当社の株価も直近では500円前後の水準まで落ち込んでおり、連
結ベース1株当りの株主資本(690円)をも下回る株価水準にあ
ることは、極めて残念であると受け止めざるを得ません。皆様に
おかれても当社の株価状況について、会社経営はもとより、個人
としても持株会の残高を含めた資産価値を憂慮される方が多いか
と思います。ご心配をおかけしていることにつき誠に申し訳なく
存じます。
こうした株価低迷の要因は会社業績など様々なものが挙げられ
ますが、いわゆる持合い株の解消という日本の株式における構造
変化もその一つです。この構造変化は、株価水準の下落要因にと
どまらず、安定した株式の保有基盤をベースとした安定的な経営
の実現の阻害要因となる危険性も孕んでいるものです。
こうした点にかんがみ、私としては日立グループ社員持株会に
よる株式の保有をもっと拡大し、日立グループで働く皆様によっ
て会社を支えていただきたく存じます。その意味では従来に比べ
株価が低水準にある今こそが保有株式数を増やすチャンスでもあ
ると考えております。時節柄厳しいこととは存じますが、是非持
株会を通じた株式の保有を拡大いただくよう切にお願いする次第
です。
当社の今後の株価動向について断定的なことは無論申し上げら
れませんが、私は中長期的には当社の株価は必ず上昇するものと
確信しておりますし、そのためにも業績回復に全力を尽くすこと
が何よりも大切であると思っております。また、私たちが心を一
つにして努力するなら、必ずや当社は新たな発展期を迎えること
となりましょうし、夜明けは近いと確信しております。さらに、
こうした点について機関投資家のみならず、個人投資家にもIR
を強化して行くつもりです。
どうか当社の安定的な経営と株価の回復による従業員の方々の
資産形成の充実が両立するよう、引続き業務にご尽力いただくと
共に、中長期的な観点に立って、持株会を通じた株式の保有を拡
大いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
以上