524 名前: ひかり74号新大阪行き 投稿日: 02/08/15 14:55 ID:vhfYgt19
これはフィクションです。おそらく。
時は3年前のコミケット・・・・
カリスマ帝のCG集は全く売れていなかった。
客は来るものの、見本を見るだけで皆去っていた。
売り子達には分かっていた。
「今回のは売れないだろ・・・」
この売り子達は不本意ながら現在「元親衛隊」と呼ばれている者達だ。
しかしカリスマ帝は乗り気だった。最高の自信作だと胸を張っていた。
そんな中、あまりの売れ行きの悪さにカリスマ帝は苛立ちはじめていた。
親衛隊員達は密かに思っていた。
「このままではカリスマ帝が暴れるなァ・・・とっとと逃げるか!?」
そこで「変な売り子氏」が立ち上がった。職業柄、営業スキルを持っていた彼は、
飛び込み営業さながらのトークを始めた。
次第に客が集まり始めた。そして売れた。売れ始めた。
今まで見るだけで去っていた客たちが次々と買っていった。
逃げようとか考えていた親衛隊員達は、次第に彼を尊敬の眼差しで見始めた。
結果、抱き枕はほぼ完売した。CG集は完売しなかったものの8割は売れた。
誰もが思った。「これは変な売り子氏の功績だ」と。
そして安心した。これでカリスマ帝が暴れずに済む・・・と。
コミケ後OFFでは変な売り子氏の話で盛り上がった。カリスマ帝はどことなく
暗かったものの、上々の売り上げにご満悦の様子だった。
しかし奇妙なことにカリスマ帝は悪酔いして発狂していた。
嘔吐した。親衛隊員1名が犠牲になった。
彼らはこの時、カリスマ帝の本心に気付くべきだったのかもしれない。
525 名前: ひかり74号新大阪行き 投稿日: 02/08/15 14:55 ID:vhfYgt19
翌日、親衛隊員達はカリスマ帝御前会議「さむちゃっと」で再会した。
やはり変な売り子氏の隠れた才能について盛り上がっていた。
しばらくしてカリスマ帝がやってきた。そして、いきなり発狂した。
「うあああああああああああああああああああああああああああああああ」
何事かと思った。唐突な出来事に理由が全く分からなかった。
「昨日はありがとうございました。変な売り子氏のお陰で売れました」
「僕の絵なんかには誰も見向きしませんね。分かってはいましたよ」
「うはは。感想すら来ないね。何のために命を賭けて絵を描いているんでしょうね」
「もうコミケやめます。あんな売れ方しても仕方ないですから」
盛り上がっていた親衛隊員達は皆、黙って消えた。
昨今、カリスマ帝の鬱発言で会話が途切れることに慣れていた親衛隊達は、
こんな時にはチャット落ちが賢いと学習していた。
しかし、親衛隊員達は思っていた。
「お前は売れ方にまで文句つけるのか・・・・・」
「まずは変な売り子氏に報酬払えよ・・・・・」
「売れただけ幸せと思え。全部持って帰って在庫になる方がよかったのか?」
とある夏の出来事だった。
そして、絶縁へのカウントダウンが静かに始まった。