1998年に逝去して10年が過ぎるが、未だに映画だけでなく、様々な文化シーンに影響を与え続ける巨匠黒澤明。
その黒澤明監督の生誕100周年に向って、2つのビッグプロジェクトが動き出した。
一つは、1950年に日本公開をされた後、アカデミー賞外国映画賞を受賞、ベネチア映画祭で
グランプリを受賞した名作『羅生門』のハリウッドリメイク映画の製作である。
もうひとつは、1977年に黒澤明監督と井出雅人氏によって共同執筆された脚本『黒き死の仮面』の劇場アニメ化である。
『黒き死の仮面』はこれまでに映像化が行われていない黒澤明監督の最後の脚本である。
作品は2010年に劇場公開予定となっている。
両作品とも黒澤明監督生誕100周年を記念したもので、日本、米国、シンガポールのプロデューサーによる、
グローバルな製作体制が組まれる。
『黒き死の仮面』はエドガー・アラン・ポーの短編小説『赤き死の仮面』を原作としており、
当初はロシア映画として企画された。20世紀初頭のロシアを舞台に、人口の大多数を死に
追いやる死の伝染病をテーマとして、人々の恐怖や極限の状況における人間の本性を描く
エンターテイメントサスペンス作品となっている。この脚本は1975年に公開された『デルスウザーラ』の後に執筆された。
黒澤明監督は生前、日本のアニメーターを起用して、『赤き死の仮面』を映画化することを望んでいたという。
今回、こうした黒澤昭監督の思いを引継ぎ劇場アニメの制作を目指す。
日本のロウタスが、日本最高のアニメーターと共に、既存の
「日本アニメ」という概念を越える、かつて見たことのない作品の制作を進める。
また、プロジェクトはロウタスに加えて、米国のレキシコンフィルムドエンターテイメント、
ハーバーライトエンターテイメント、シンガポールのアップサイドダウンエンターテイメントの4社が、
黒澤プロダクションの協力の下、共同製作体制を組む。
日本の映画界で最も世界に知られた黒澤明監督の作品が、現在、世界の映像世界で大きな注目を
浴びるアニメとなることで、世界的な注目が集まることになりそうだ。
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