そのときちょうど「炎の転校生」の連載が終わったばっかりで、原稿がなく、
かわりに高橋留美子の「うる星やつら」を見せてくれた。もちろんすごく好きだし、
とっても嬉しかった。編集さんは続けて、
「彼女こそ、努力と才能を併せ持った希有な人だよ。納得のいかないところはとことんなおす。
知識も広いでしょ。こういう人を目指しなよ」
もちろん高橋留美子は素晴らしい。しかし、自分の気に入らない作家を、
ファンの前でけなす意味は?オトナゲない.....
「子供の頃の知識」っていうのは、島本和彦が、特撮とかアニメが好きってあたりを指してるらしい。
しかし、その後、石森章太郎のまんがをリメイクしたり、
自身の同人誌で、昔の特撮やまんがを例に出して、おもしろい話作りとは何か、
というテーマに向き合ったりしている。
子供の頃の感動を今でも持ち続け、消化し、昇華している作家なのだ。
あのときの編集さんに、どーだ!見たか!と言ってみたい。もう誰だかわかんないし、
そもそも私の手柄ではありませんが。