「鉄腕アトム」など日本のアニメを築いてきた漫画家の故・手塚治虫さんが、アトム以前に実験的に制作していた「ある街角の物語」や、
亡くなる直前まで制作を続けていたという遺作「森の伝説」など“幻の手塚アニメ”12作品の配信がこのほど、
ネットの動画ダウンロードサービス「楽天ダウンロード」で始まった。
配信は、動画配信サービスのビデックス(柳下洋社長)が楽天グループ、手塚プロダクション(松谷孝征社長)と提携して始めたもの。
今回配信されるのは、62〜88年までに手塚プロ(当時は虫プロダクション)で制作した12作品。
手塚さんが、アニメの表現を追求するため、テレビ放送やビデオ化を目的としないで作られたもので、
外部での公開などはほとんどされていなかったものばかり。
62年制作の「ある街角の物語」は、日本初の連続テレビアニメ「鉄腕アトム」(63年)以前に手塚さんが手掛けた初の作品で、
色とりどりのポスターが張られたある街角に、独裁者のポスターが張られ、戦争の影が忍び寄るさまを描いた39分の実験的な作品。
「森の伝説」は、手塚さんが敬愛したウォルト・ディズニーへオマージュとして制作さしたアニメ。チャイコフスキーの「交響曲第4番」に乗せて、
人間と自然の共存、生命の大切さなどをテーマにした物語で、第1、第4楽章(計29分)を制作したところで、手塚さんが死去し、未完となっている。
ビデックスと楽天はこれまで手塚作品の配信を行ってきたが、「映像文化史に残すべき良質の作品」として未公開作品の配信を手塚プロに依頼し、実現したという。
視聴期間は1週間で、1作品につき105円。今後数作品の追加も予定されている。
ソース:
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2007/01/post_673.html