神戸出身の漫画家、故横山光輝さんの代表作「鉄人28号」の誕生から五十周年に合わせ、再開発が進むJR新長田駅周辺の
地元有志が、駅前でのモニュメント設置や「横山光輝記念館」の建設を目指して活動を始めた。
題して「KOBE鉄人プロジェクト」。メンバーは「鉄人28号を神戸、新長田の震災復興の象徴にしたい」と意気込む。第一弾として
六月、鉄人28号と横山さんの業績を紹介する特別展を新長田アートギャラリーで開く。(永田憲亮)
横山さんは一九三四(昭和九)年、神戸生まれ。市立須磨高校在学中から漫画を描き、二十一歳で「鉄人28号」を発表。昭和の
子どもたちを熱狂させる大ヒット作となり、活動の場を東京に移した。
〇四年、自宅の火災で亡くなるまで数々の名作を生み出した。他の代表作には「伊賀の影丸」「バビル2世」「魔法使いサリー」
「仮面の忍者赤影」「三国志」などがある。
横山さんの業績に今年一月、新長田の地元商店街などの経営者が着目。「復興のシンボルとともに、地域活性化につなげたい」と
構想を練り、鉄人28号のモニュメント制作、記念館設立の目標を掲げた。
横山さんの作品の著作権をもつ「光プロダクション」(東京)にも快諾を得て、近く実行委員会を立ち上げ、寄付や募金活動を本格化
させる。
旗揚げイベントとなる特別展は六月十七日-七月二日まで。鉄人28号や横山さんの経歴を紹介するパネルに加え、原画や鉄人28
号のフィギュア、精巧なロボットなど約百五十点を展示する。
一方、神戸に住む横山さんの旧友らも活動を進めているといい、同プロジェクトを呼びかける自営業、正岡健二さん(58)は「みなさん
と一体で、モニュメント、記念館建設の夢を実現できたら」。
また、横山さんの妹で同プロダクション社長の徳永俊子さんは「以前から兄の業績をまとめてもらえる場があればと考えていた。
ゆかりの神戸からの申し出は大変ありがたく、できる限り協力したい」と話している。
2006/05/25
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000037796.shtml