「稲むらの火」学んで NPOが漫画化
民話「稲むらの火」を防災教育に生かす試みが広がっている。
和歌山の実業家がとっさの機転で津波から村人を救った物語。
東京の防災研究団体は漫画にして出版し、
地元の町は立体映像で津波を疑似体験できるシアターを建てる。
1月の神戸市での国連防災世界会議で小泉首相が紹介するなど、
昨年末のスマトラ沖地震・津波以来、一層の注目を集めており、漫画は翻訳されて海外にも発信される。
漫画化に取り組むのは、NPO法人「環境防災総合政策研究機構」(東京)。
津波警報が出された03年9月の十勝沖地震や昨年9月の紀伊半島沖地震で、
避難しなかった人が多かったことから企画した。
漫画は約200ページの予定だ。
稲むらの火のエピソードを中心に、津波襲来後も村に堤防を築くなど災害対策に取り組んだ主人公・浜口梧陵(ごりょう)の生涯にスポットを当てる。
漫画家のクニトシロウさんに執筆を依頼。
クニさんは物語の舞台となった広川町を訪れ、作品づくりを進めている。
津波の基礎知識や防災対策などの解説、津波被災地の写真も掲載するという。
「津波対策は高台に逃げるのが基本。稲むらの火は防災意識を高めるのに格好の話だ」
と同機構の松尾一郎事務局長は言う。
広川町にある旧梧陵邸の庭には、町や県が「津波防災教育センター」を建設する。
幅8メートル、高さ2.5メートルの大型スクリーンを設置し、立体映像で津波を体感できる。
約50席のいすは津波とともに震動する仕組みだ。
長さ約15メートルの水槽を使った津波実験用の機器も備え、津波発生のメカニズムや防災について総合的に学べる施設にする。
総工費約8億円で、07年春までに完成予定。「大人から子供まで、津波についてすべて体で実感できる施設にしたい」と町は意気込む。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200503160030.html 稲むらの火
ttp://www.inamuranohi.jp/ 2222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222222