網走管内遠軽町の元小学校教師山谷早苗さん(31)が、二十八日に発売された少女漫画誌
「Juliet(ジュリエット)」(講談社)の三月号で念願の漫画家デビューを果たした。
ペンネームは「上條ゆうき」で、デビュー作は四コマ漫画の「妄想HEAVEN(ヘブン)」。
山谷さんは「多くの人が楽しんでくれる漫画を描き続けたい」と夢を語っている。
山谷さんは遠軽町出身。子供のころから「漫画家か学校の先生になりたい」という夢を抱き、
信州大(長野県)在学中から、出版社に「ストーリー漫画」の投稿を始めた。
大学卒業後はもう一つの夢だった教師の道へ進み、札幌市内の小学校で教壇に立ったが、
漫画家への夢を捨てきれず、一九九八年、教師を退職。実家に戻って、執筆活動に専念した。
多くの出版社に原稿を送ってきたが、ストーリー漫画ではデビューできなかった。
しかし、気分転換に描き始めた四コマ漫画が講談社の担当者の目に留まり、
漫画家としての第一歩を踏み出すことになった。 デビュー作は、閉店間際のスーパーで
未婚の女性が特売シールを自ら体に張って陳列棚に寝るなど、ちょっと「毒」のある
笑いの四コマ漫画九本で、計六ページ。内容だけでなく、丁寧な絵のタッチが評価された。
ペンネームは以前に描いた漫画の登場人物からとった。 教師生活はわずか一年半だったが、
高校生になった当時の教え子が漫画家デビューを喜んでくれ、「励みになっている」という。
「Juliet」は中高生、一般向け女性漫画誌「フレンド」の別冊版で、奇数月に発売される。
表紙で「期待の新人デビュー」と紹介された山谷さんは「ようやく夢がかないました。
今後はストーリー漫画も掲載されるよう頑張りたい」と笑顔で話している。
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