【漫画】「新ゴーマニズム宣言」似顔絵、高裁は名誉棄損を認定

「新ゴーマニズム宣言」の小林さんが逆転勝訴…最高裁

漫画「新ゴーマニズム宣言」の著者小林よしのり氏（５０）が、論争相手を
「著作権侵害のドロボー」と表現したことが名誉棄損に当たるかが争われた
訴訟の上告審判決が１５日、最高裁第１小法廷であった。

横尾和子裁判長は「（著作権侵害に当たるかどうかというような）法律的
見解の表明は、証拠によってその表現が適切かどうかが決まるような
事実ではなく、意見・論評に当たる」との初判断を示した。
その上で、今回の表現は「人格攻撃とも言えず、名誉を棄損していない」
と述べ、賠償を命じた２審判決を破棄、請求を棄却した。小林氏側の勝訴が
確定した。

この訴訟は、「日本の戦争責任資料センター」事務局長の上杉聡氏（５６）が
同漫画で名誉を傷つけられたとして、小林氏と出版元の小学館に賠償などを
求めた。
名誉棄損になりうる表現は、「誤った事実を含むもの」か、人格攻撃などで
ない限り許される「意見・論評」に分かれる。相手の行為を違法と指摘した
「法律的な見解」が、どちらに該当するかは地・高裁の判断が分かれていた。

判決などによると、上杉氏は１９９７年、小林氏を批判した「脱ゴーマニズム
宣言」を出版。その際、小林氏の漫画を収録したことを、小林氏が
新ゴーマニズム宣言の中で「ドロボー」と非難した。東京地裁は請求を
棄却したが、東京高裁は、名誉棄損を認め、２５０万円の支払いなどを命じた。
　
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040715-00000104-yom-soci