は:ガンダムの続編を作ってくれというお話がきたそうですがこの時はどう思われましたか?
と:嫌でしたね。とっても嫌でした。というのはそういうのを言ってくるのは基本的に
経営者であるわけですし、確かに組織と経営とか作品とか繋がっているものは
映像媒体ですからそれは経営論でいいんですよ。
経営論でいいんだけどもしそれを言い出すのであれば
ガンダムが好きだから一緒に作らない?って言ってくれればいいものを
他にどうも無いからガンダムをやれ、と言われれば嫌ですよ。
必ずしもガンダムが好きで言ってくれてるんじゃないんだ。
つまり商売になるからって言う事だけでファンの方の気分は関係無いです。
ファンの数だけが気にしてて、次にやれって言われてくる人に対してはそれは気持ち悪いです。
嫌だなとおもったけれどもそれこそ幾つかのやり方をして見てやっぱりガンダム程には
いかなかったという自分の力量がわかるんです。
だからやるしかないという覚悟を決めてやり始めてふと考えてΖガンダムの
ゼータというタイトル文字を決めざるを得ないなと思った時に物凄く落ちこんだことがあるのは
その時に感があったんですよね。もうガンダムが終わらなくなる。ずっと続く。
ずっと続けないようにΖガンダムっていう物語を終わらす方法は無いんだろうかと考えてつくったのが
僕にとってのΖガンダムです。
Ζのシーンを見終わって
た:これが続編といわれたΖガンダム。どのような終わり方にもっていったんですか?
と:本当にヒット作として大きく育てたいとかとかそういう風に素直に思えたらカミーユみたいな
キャラクターはつくらなかった。実際にこうやってΖ作りはじめていった時に周りの人達が
いい申し立てをしないんですよね。ガンダムだったらいやらしいっていう顔が物凄く見えてきて
本当に嫌でした。そして、ああ、だからこんなフィルムになっているんだっていうことで
やっぱりこうやって・・・ 僕は実はΖを見直すのは今がはじめてなんですけども
ああ、だからこういう風にかなりその鬱に入るような作り方をしているなっていうのがみえて・・・
で、これを助けてくれる人がいなかったというのを今思い出して、正直物凄く辛い。
だからガンダムという名前だけで一年間オンエアできる物があればいいっていう人達も
いっぱいいた、ということです。本当に嫌です。だからそういう成立もある。
それで今になってΖからガンダムに入ってきている人達がいるっていうことは重々承知しています。
で、そういう人達はどういう事なのかというとΖのころに懸念したことがやっぱり10年近くたって
出てくる。その若い人にまで浸透しているっていう怖さを感じているからΖからは入って欲しくない
というのが本当の所です。
た:そのファーストガンダムが打ちきりになったていうのはもう全然違う世界ですよね
と:全然違う。だから大人達がちょっとはしゃぎ過ぎたんじゃないのかな。
こういうマーケットに関しては。だからもう少しお客さんと対して正面から見て
自分達が1つでも年上だったら若い人にたいして、もう少し若い人の来年の事を考えて欲しい。
考えてませんもん、今年のことしか。それは酷いんじゃないか、商売をやるにしてもっていう気分が。
ごめんなさい。まさかこんなこと言うとは思わなかったんだけど、Ζで思い出しました。
そしてターンAっていう言葉を手に入れたときに若い人達が本当に助けてくれた。
つまり20何年、つまりガンダムってどこかあやしいぞ、っていう風に感じてくれたスタッフが
やっぱりいてくれて、富野が本気でそうではなかったらしい、っていうのと
富野がもう少しまともになりたいらしいよ、だったら手伝ってやるよっていう風に言ってくた
スタッフが来てくれたっていうのがターンAでしたね。本当にΖ見てませんので
そういう事をみんな解ってくれていたんだな、っていうのがとってもうれしい。