福本伸行 賭博破戒録カイジ 〜第六章〜

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362名無しんぼ@お腹いっぱい
勝手に舞台裏を想像してみました。

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執筆開始前、構想段階にて。

456賽のアイデアを持って作者のもとを訪れる編集者。
編集:「どうです。必ず一投目で目が出るんですよ。」
その時作者の脳裏にある種の予感が走った。
作者:「それを逆手に取れば...」

数日後、作者のもとを訪れた編集には笑顔で言った。
作者:「出来たよ。456賽を破るアイデアが」
編集:「ほんとですか。」
作者:「その代わり、ピンゾロのレートを5倍に上げる。」

こうして連載はスタートし 456賽で快勝を続ける班長達が描かれた。

話も佳境に入る頃、改めて456賽破りのアイデアが子細に検討された。
アシスタント:「でも、この出目表だけじゃ どっちが強いのかよく分かりませんね。」
編集:「うーん... うちの若い連中にちょっと聞いてみますよ。」

数日後、血相を変えた編集が仕事場に飛び込んで来た。
編集:「せ、先生、大変です。この表を見て下さい。」
数字がびっしり並んだコンピュータのプリントアウトを作者に差し出す編集。
作者:「これは、どう見ればいいんだ?」
編集:「つまり、この数字をああして、こうしたのがこの数字で...
    最後にあるこの数字、これがそれぞれの賽子の強さをあらわします。」
作者:「...456賽の方が大きい?...」
編集:「そうです。確率的にいって456賽の方が強かったんです。」
作者:「...!」ぐにゃ〜

編集:「と、とにかく話を引き延ばして下さい。
    その間に456賽を破るアイデアを考えましょう。」

それから連日、編集、作者、アシスタント達は頭を突き合わせ
必死で456賽破りのアイデアを模索した。
事の重大さを知らされた若手編集もノートパソコン持参で乗り込んで来る。
2週間後、必死の引き延ばしとアイデア模索にもかかわらず
ついに若手編集は最後の結論を出した。
若手編集:「対面に同じ数字を置くというやり方、及び
      元のレートのままで456賽に勝てる賽子はありません。」

破綻、ついにストーリーは破綻してしまった。
レートを変えるという試みも「ピンゾロのみ20倍以上に変更、他はそのまま」
という非情な結論しか得られなかった。

結局、班長グループのいかさまを暴露し...というストーリーに差し換えられ
扉絵は心労で寝込んだ作者の代わりに編集がつたない手付きでパソコンを操作して作成した。

印刷所から戻った編集はベッドのそばに歩み寄り作者に声をかける。
編集:「新規巻直しですね。次回は本編を中断して今回の舞台裏を描いた『漫画家黙示録』
    なんてどうですか。」
作者:「フフ... そういうのは少年マガジンにまかせるよ。」
東の空はうっすらと白みはじめていた。

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この話はフィクションです。へたっぴーですみません。