2ちゃんでは人気無し?〜浦沢直樹〜

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604名無しさん@お腹いっぱい
別に浦沢の信者ではないが、現代漫画をとりまく状況に対するアンチの認識の欠如にはうんざりした。
「内容がないのに引き伸ばしている」とかいう、未だに「物語」信仰かよぶへっ、と吐いてしまうような意見を恥ずかしげもなくカキコする。
あるいは「キャラが立っていない」「キャラの使いまわし」とか言い出す始末。
これではひとり浦沢だけが現代漫画を志向しており、バカな読者がついていけないだけ、ということになってしまう。
まあ実際そうなのかもしれない。「バランスが悪い」とか「絵がうまい」とか「人物が描けてる」とかいう骨董品の目利きのような言葉しか吐けなくなってしまったのだからな。今の読者は。
605名無しさん@お腹いっぱい:2001/08/21(火) 01:17
>>604のつづき
まあ、いい。まず議論の不毛性を際立たせている「物語がウンタラカンタラ」から批判しよう。
「物語」はすでに消費され尽くしたという認識、これは現代人には欠かせない常識だ。
東浩之や大塚英志の言説を引くまでもなく、だ。
ならば何をもって漫画を評価すべきか? それはもちろんエクリチュール(文体)である。
エクリチュールがすべてなのだ。漫画で言うなら、演出・絵柄である。
「表現される内容」ではなく、「表現の仕方」なのだ。
『20世紀少年』において、浦沢が自覚的に「漫画」「ロック」に対する自己言及を行い、
メタ世界を作り出し、逆説的な「勧善懲悪世界」を作り上げることで、
「リアル」というもの自体を疑うように読者に促すのも、彼があくまでエクリチュールの人であり、ポストモダニストである証拠だ。
あと「キャラが立たない」ことへの前時代的な憤りに対しては、「前時代的」という批判だけで充分だろう。
かれらは漫画的な漫画しか受け入れることができないだけの話である。
自分は「萌える」「感情移入」命のクラシカルタイプの読者なのに、浦沢はエクリチュール重視の真の現代漫画の道を着実に歩んでいる、
趣味が合わん、という理由だけで浦沢を批判するというだけなのなら、それは自分の無知・鈍感さを曝しているだけである。批判のやり方はもっと他にある。
このままだとアンチは自分自身を批判しているだけである。