冬目景について 第4章

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135中原中也 「羊の歌」
>>23-24より
>>24を見て、中原中也詩集を買ってしまいました。
「ひつじのうた」同名作品があるけど、
関係あるのかな?
以下転載

中原中也詩集(角川書店 文庫) P92
山羊の歌より「羊の歌」

羊の歌
    安原喜弘に

1 祈り

死の時には私が仰向かんことを!
この小さな顎が、小さい上にも小さくならんことを!
それよ、私は私が感じ得なかつたことのために、
罰されて、死は来るものと思ふゆゑ。
あゝ、その時私の仰向かんことを!
せめてその時、私も、すべてを感ずる者であらんことを!
136中原中也 「羊の歌」:2001/05/18(金) 08:13
>>135より

思惑よ、汝 古く暗き気体よ、
わが裡より去れよかし!
われはや単純と静けき呟きと、
とまれ、清楚のほかを希はず。

交際よ、汝陰影なる汚濁の許容よ、
更めてわれを目覚ますことなかれ!
われはや孤寂に耐へんとす、
わが腕は既に無用の有に似たり。

汝、疑ひとともに見開く眼よ
見開きたるまゝに暫しは動かぬ眼よ、
あゝ、己の外をあまりに信ずる心よ、

思惑よ、汝 古く暗き気体よ、
わが裡より去れよかし去れよかし!
われはや、貧しきわが夢のほかに興せず


わが裡(わがうち) 希はず(ねがはず)
汚濁(おぢょく) 有(もの)
眼(まなこ)