冬目景について 第4章

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131126
>>128,129
そか、スマソ。

じゃあなんで「黒鉄」が駄目なのか俺なりに語るよ。
「黒鉄」の要素っていうのは大きく分けると二つある。チャンバラと人情。

まずチャンバラについて。
チャンバラで大事なのは殺陣の迫力。とにかく見た後にスカッとさせなくちゃいけない。
黒澤明の「用心棒」「七人の侍」等はこの点で最高の評価が得られる作品だ。
漫画の方を見てみれば、白土三平の「カムイ伝」や「忍者武芸帖」などに描かれた
殺陣の迫力の凄さは言うまでもない事っしょ。
冬目姉さんの後輩の沙村広明の「無限の住人」も充分評価できる。
振り返って冬目姉さんの場合。どうも姉さんはアクションが苦手な傾向にあるように思えるな。
「黒鉄」の殺陣ははっきり言ってヌルい。
これは「zero」のアクションシーンでも感じたよ。

続いて人情について。
「黒鉄」の女性キャラによるエピソードはなかなかいいものを持ってると思う。
冬目姉さんの独特の雰囲気をこの人情物というストーリーにうまくマッチさせる
ことができれば、(人情物という点で)いい作品になるんじゃないかな。
また例えが映画で悪いが、時代劇でこういう映画と言えば山中貞夫の「人情紙風船」。
残念ながら、冬目姉さんの「黒鉄」における雰囲気づくりは、
山中の「人情紙風船」における雰囲気作りに劣ると言わざるを得ないと思う。
要するに、まだまだ改善の余地ありっちゅーこったなあ。

「黒鉄」は主人公のキャラクターと殺陣のヌルさが子供向けっぽい印象を受けさせるし、
逆にストーリーは青年誌のものでしょ。
このへんのギャップがね、どーにもこーにもなのですよ。