>>306 愛星団徒
■□■松田一輝
□■□集英社/プレイボーイCOMICS
宇宙規模で魂スポを繰り広げてくれるグレートな漫画、そんなヤク〜い作品こそが『愛星団徒』なのですッ!!
ストーリーの冒頭で主人公・鷹王旭は、女を人質に取っているヤク中に遭遇。鷹王は、その場にいたプロ野球のスカウトマンからボールを借り、200キロ以上の球を投げて、ヤク中犯の手首から先をブチ飛ばす!
冒頭からこれである。この後も鷹王の胸に星型のアザがあり、同じアザを持つ超野球戦士達と何故か引き合ったり、消える魔球を投げたりするが、この辺りまではまぁいいだろう。
だが物語は、3巻の終わり頃から急速にスペーシニッシュ化し始める。
地球を侵略して人間を奴隷化しようと企んでいる宇宙の悪魔「ネブラ」。ネブラはこれまでも生ある星を次々と滅ぼしてきたのだ。
だが、宇宙を創造した神が造った宇宙憲章には「他惑星の侵略をうけた側は全面戦争を避ける手段として双方の代表9名の戦士をたて決闘による決着を選ぶことができ、その決闘のことをコズミックファイト(注:ただの大袈裟な野球です)と呼ぶ!!」というモノがあり、唯一ネブラに対抗できるのは、鷹王を始めとするアザを持つ9人のチーム「ジャガーズ」だったのだ……、ってどうだろう、この展開は!
魔球の方もインフレを起こしまくり、「目に見えない超豪速球」を音を頼りになんとか打ちかえしていたのも、ついには球が音速を超え、音が聞こえる頃にはミットに収まっているという事態になったりする。
そして、ネブラが送り出してきたチーム「ガス」との最後の戦いでは、ジャガーズのメンバーが突然変体を起こし、金色の全裸戦士となり空中に浮かび上がる! 宇宙人であるガスの連中も後を追い、こうして後楽園球場を後にし(この状況においても後楽園球場で試合をやっているのもスゴいが)宇宙空間での壮絶な試合が始まる。
アウトになった者はその場で消滅するというルールで、次々と消えてゆく仲間達。ついに敵のボスとの一気討ちになった鷹王は、神の力を借り巨大化したボスとネブラの宇宙船をふっ飛ばすのだった!!
うおおッ、どうだろうこの熱いストーリーは!これこそ魂スポ漫画である。
まさに理屈抜きの超大作であることは間違いないだろう!