バスタード!! - 暗黒の破壊神 - パート5

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まだ完結していもいない作品に、あらたまって後書きを
付けるというのも変な気もするのですが、『ウルトラジ
ャンプ』編集長・頓田さんの後押しのお陰で、今回こう
いった形で「豪華完全版」なる物を出して頂ける事にな
り、簡単にこの『BASTARD!!〜暗黒の破壊神〜』
という作品を描き始めた経緯なんかを書いておこうかと
思い、またお世話になった方々へのお礼をこの機会にと
思い、筆をとりました。
 17歳で家を飛び出し、学校も辞めてしまい何年もの馬
鹿三昧暮らしの果てに、親に土下座して(笑)、デザイ
ンの専門学校に入れてもらう事がなければ、今日は無か
ったです。
 おとうさん、おかあさん、ありがとうございます。
 専門学校で商業デザイン科からアニメーション科に編
入させてもらい、そこでダーティー松本先生に仕上げの
バイトを頂く機会がなければ、やはり今はなかったです。
ダーティー松本先生には、卒業後もアシスタントの仕事を頂
き、漫画に関する基礎の全てを教えていただきました。
ダーティー松本先生、ありがとうございました。
 その後、『週刊少年ジャンプ』で当時『きまぐれオレ
ンジロード』を連載されていた、まつもと泉先生の下で
働く事が出来、週刊連載の現場で昼夜を共にしながら、
さらに漫画の勉強をさせて頂きました。それ無しでは、
絶対今日の自分は有り得ませんでした。
まつもと泉先生、ありがとうございます。
 まつもと泉先生のもとで何年かお世話になる間、仕事の
合間を縫って少しずつ描いていた初めての作品がやっと
出来あがり、『週刊少年ジャンプ』の季節増刊〜サマー
スペシャル〜に載せて頂いた時には、自分はもう24歳ぐ
らいだったと思います。
 アンケートの結果がなんかエラく良かったお陰で、担
当の高橋さんに(高橋さんはまつもと泉先生の担当さんで
もありました)、「キミ、もう今週からオレンジロード
行かなくていいから、今度本誌でやる何人かの新人の読
みきり企画に1本描きなさい」と言われて、先生へのご
挨拶も満足に出来ないまま、風呂の無い狭いアパートで
2本目の作品を描き上げました。
 かなり必死でした。
 その時に『週刊少年ジャンプ』で載せて頂いたのが、
本連載作品の事実上の第1話である『WIZARD!!〜
爆炎の征服者〜』です。
 その後、休む間もなく増刊のオータムスペシャル(だ
ったかな?)に45ページの仕事を頂き、その仕事を死に
物狂いでやっている最中に『WIZARD!!』のアンケ
ート結果が出て、本誌への連載ネームに入る事が出来ま
した。(だったような・・・・・・この辺アヤしいです)
 この時のアンケートに読者のみなさんのご支持が頂け
なければ、今の自分は完全に存在していませんでした。
読者のみなさんには機会があるごとにお礼を書いて来ま
したが、あらためて申し上げたいと思います。
 本当にありがとうございました。
 またこの時、右も左も分からずおぶおぶ慌てふためい
てた自分をアシストしてくれた、アシスタント時代の
仲間や友達が居なければ・・・・・・みなさんにお見せするはず
の原稿自体が描き上がらなかったと思います。
 その時のスタッフも含め、今まで自分の原稿を手伝っ
てくれた沢山の人達には、本当に幾らお礼を言っても足
りないくらいです。
 本当にありがとう。
 こうして『BASTARD!!〜暗黒の破壊神〜』の連
載は始まったのです。
 連載が始まってから今日まで実に様々な事件があり
ました(笑)。
 掲載誌も、連載形態も何度も変わりました。
 読者のみなさんの中には忘れておられる方も当然おい
ででしょうが、この漫画は現在も続いているのです。
 載せていただく雑誌は何度も変わりましたが、自分が
この漫画に注ぎ込む力は変わることはありません。いつで
も自分の目の前にある原稿に全力であたる事だけが、自
分に出来得る全てだからです。他には大した能力もあり
ませんから(笑)。
 最後になってしまいましたが、この作品を連載するに
あたって担当をして下さった代々の編集者のみなさんに
お礼を申し上げたいと思います。
 特に初代の担当をして下さった高橋さんには、ネーム
がわからなくなれば話をしに来てもらい、スケジュール
が破綻しそうになれば人手を集めてもらい、挫けそうに
なる度に叱咤激励を頂き、入稿土壇場では修羅場に詰め
てもらい(それもほぼ毎週)・・・・・・始めの頃なんか金まで
貸してもらって・・・・・・本当になんとお礼を言っていいの
か分からないくらいです。(涙)・・・・・・・・・つか、怒ってま
す?(笑)
 自分はこの『BASTARD!!〜暗黒の破壊神〜』と
いう作品を、完結に漕ぎ着けるその時まで全力で描き続
けるつもりでいます。その途中で別の作品を描く機会に
恵まれる事があるかもしれませんが、この作品自体をや
めてしまう事はありません。・・・とゆーか、描かせてくれ
るといいなァ・・・と願っています。 (笑)
 漫画を描く事は苦しみを伴いますが、描き終わった時
には大きな悦びを与えてくれます。
 読んで下さるみなさんと一緒に楽しみたいと思ってい
るのです。
 よかったらお付き合い下さい。

                      萩原 一至