漫画版コードギアス総合スレッドCODE5

ルルーシュの言葉の通り、ジェレミア卿は僕らを見逃すために仲間へと銃を向けた。
その混乱に乗じて、ルルーシュが僕の手を引いて政庁から逃げ出す。
…あれが…ギアスの力なのか？…どんな命令も迷わせることができる…それが「ゼロ」なんだ…
あまりの事態に混乱しているうちに、ルルーシュの使っているアジトへと辿り着いた。
ゼロによる降伏勧告と開戦宣言が街中のテレビで流れている。
ギアスの力で、カレンがゼロになるように命令しておいたらしい。
「明日起こる日食までにシュナイゼル殿下を止めないと、殿下が不老不死の力を手に入れてしまう。そして世界を手に入れるつもりなんだ！」
未だ警官コスプレをしたままのルルーシュに僕は必死で訴えたけれど、不老不死という単語に、ルルーシュは胡散臭そうな反応をする。
「シュナイゼル殿下は世界を思いのままに動かすつもりなんだ。しかもあの人が力を手に入れたら誰も止められなくなってしまう」
そう、謎の美少女の首を鎖で繋いで首輪のようにしているんだ。
君のお兄さんはＳＭ趣味なんだ。もっと危機感を持ってくれ！
「僕は今までずっと、正しい方法で創った世界こそが真の平和なんだと思っていた。でもそれは単なる自己満足に過ぎなかった」
父さんを殺した僕のトラウマ…それが贖罪だと信じていた。けれど違うんだ。
「僕はあの人のためにルルーシュさえ殺そうとした」
ルルーシュとナナリーが幸せに暮らせる世界を作ってくれるシュナイゼル殿下を守るために僕はルルーシュを殺す！
―――あのときの決意が間違っていると、今ならわかる。
「君は僕にとって何よりも大切な人なんだ。大切な人たちを守ると誓ったのに…」
だから今度こそ君たちを守るよ。そのためにもシュナイゼル殿下を止める！
僕の決意を聞いたルルーシュは、けれど冷たい表情でそれを否定した。
僕にはランスロット仮面がある、それを使えば！その提案を一蹴したルルーシュが、ニヤリと笑う。
「お前と俺が力を合わせれば不可能じゃない。俺に作戦がある。だから明日までは待て」
ルルーシュの言葉に僕は異を唱えようとしたけれど、ルルーシュの光魔法かっこいいポーズに僕は言葉を飲み込んだ。

翌日、僕らは二人で政庁へと乗り込んだ。殿下は既に準備万端で、憂いのポーズをとっている。
シュナイゼル殿下は不老不死の肉体へ変わっていく真っ最中で、殿下の傍にはギアス能力者しか近寄れないのだとロイドさんが説明した。
ギアス能力者のルルーシュがシュナイゼル殿下の方へと近寄るけれど、シュナイゼル殿下にルルーシュのギアスは効かないらしい。
シュナイゼル殿下はルルーシュの左眼を抉り、銃を向け、ルルーシュとナナリーのお母さんを殺したのは自分だと宣言した。
目の前で酷い目に遭っているルルーシュを、また僕は守れないのか…！！
これ以上僕の前で大切な人が傷付くのはいやだ、そう思った瞬間、僕の額にギアスマークが浮かび上がった。
「僕は僕の大切な人を守るんだ！！」
そうだ、ルルーシュとナナリーが幸せに暮らせる世界を作るために僕はシュナイゼル殿下を殺す！
僕はシュナイゼル殿下の騎士だけれど、それとこれとは！
もう二度と大切な人を傷付けるのは…僕が許さない！！
「例えあなたでもルルーシュを傷付けるというのなら…僕は！！」
―――シュナイゼル殿下の身体を剣で貫く。そしてシュナイゼル殿下は息を引き取った。
よくわからないけれど、僕は自分の意志でランスロット仮面の中に眠るギアス能力を目覚めさせたのだとロイドさんが言っていた。
ルルーシュは、左目を抑えながらもC.C.を助けようと彼女の方へ足を進める。その瞬間、大きな地震が起こった。
ルルーシュの計画であるパージ崩しかと思ったけれど、C.C.が能力を失って世界の均衡が崩れ世界は崩壊しかかっているらしい。
これもロイドさんの説明だ。ロイドさんは何でも知っている。
「…どうする？スザクくん」
ロイドさんが僕へと視線を向けた途端、
「ゼロ―――――！！！」
ジェレミア卿の怒声が響きわたり、ルルーシュが撃たれた。
ジェレミア卿はゼロを撃ったと高笑いをしている間に、地震により落下して死んだ。マリアンヌ様ってなんだったんだ！
駆け寄った僕の腕を掴んで、ルルーシュがC.C.を助けろと命令する。
僕が了承すると、ルルーシュは気が緩んだのかそのまま気を失った。
もはや説明係と化したロイドさんが、C.C.を助けるということは僕がC.C.の力を引き継ぎ人柱になるということだと語る。
僕は気絶したルルーシュの頭を撫でて、人柱になることを決心した。

そして五年後…

スザクの同僚だったマリエルという女性から、手紙が届いた。
ロイドは死体も見つかっていないということ、スザクはずっと行方不明だということが語られている。
彼女はブリタニアの研究所へ勤め、ギアス能力とC.C.について調べているらしい。
スザクがC.C.の変わりに不老不死になったなら、人間に戻る方法を見つけてあげたいと。
スザクの父親の形見である懐中時計が見つかり、修理も終わったので俺に預けるから、いつかスザクへ返して欲しいと。
そういう、手紙だった。

その手紙を読み終わりテーブルへと置いた瞬間、玄関のチャイムが鳴る。ナナリーを部屋へ残し俺がドアを開けるとそこには、
「ただいま―――ルルーシュ」
笑顔のスザクが、立っていた―――

END

「もう一つのコードギアス」ついに完結！！ご声援ありがとうございました！！
完結巻は9月26日発売予定です！