ものの値段の高い安いとはその人の経済力次第であり相対的なものかもしれない。
しかしいわゆる金持ちと呼ばれる人達は全体から見ればほんの一握りにすぎず、
多くの人達には実際問題として航空運賃とは決して安くはないものであろう。
原油高が続き航空運賃にもそれが反映される昨今ではあるが、かつて航空機内で
経験した運賃にまつわる出来事を話したいと思う。非常口そばに座席を指定した
ところ、向いがスチュワーデスの待機する席と相成ったのだが、一体何を思ったか
こちらに話しかけてきたのだ。その時に読んでいた本についてのことであったが、
自分としては読書に集中したく話しかけられるのは迷惑以外の何物でもなかったので
ビシッと言ってやることにした。この飛行機に乗るのにクソ高い運賃を払って
チケットを購入した訳だが、その中にはあンたのオシャベリのお駄賃も含まれる訳か?
まったく気楽な稼業ときたもんだな、と事実を指摘してやったところピタッと無駄話は
止んだ。大いに結構それでいい。これまでのことは許すことにしたが、なぜなら人とは
元より過ちを犯すものであり、過ちを改めないこれを過ちと言う、と孔子の言葉も論語に
残されている。その言葉に従うのならばこのスチュワーデスは中々に聡明な女性であった。
だからこそ職を得たのかもしれぬが、な。我々乗客はプロとしての仕事に金を払って
いる訳であって、そこを勘違いしないよう敢えてここに苦言を呈したいと思った次第。