河合克敏【とめはねっ!-鈴里高校書道部-】十画

このエントリーをはてなブックマークに追加
935名無しんぼ@お腹いっぱい
 砂に書いた名前消して、波はどこへ帰るのか……

望月「覚えてる? この砂浜」
大江「もちろん……」
望月「7年前、ここに私の名前が大きく書かれてるのを見て、書道部に入ろうと思ったんだ」
大江「ごめん」
望月「アハハ。なんで謝るのよ」
大江「……」
望月「こっちこそゴメンね。明日の式に出席することができなくて」
大江「海外で強化合宿があるんじゃ、しょうがないよ」
望月「つぎに会うときは、もう大江くんって呼べなくなってるのかぁ……」
大江「加茂ゆかり――ゆりかもめみたいでヘンでしょ」
望月「アハハ……」
大江「……」
望月「……いまはもう八か月だっけ」
大江「……うん。おかげさんで」
望月「ウェディングドレスたいへんじゃない?」
大江「日に日におなかが大きくなっているからね。それに加茂先輩じたいが、食う食う」
望月「わたしは減量で苦しんでるから、うらやましいよ」
大江「それにしてもあんなに太るとはなぁ……」
望月「もう男の子か女の子かわかってるの?」
大江「いや、聞かないようにしてるんだ。名前だけは決めてあるけど……」