映画を見てきました。
出来栄えに、まずは満足。 大満足とはいきませんでしたが、何しろ原作が原作ですから
それは初めから分っていたこと。ネタバレにならないように気を付けて感想を少々。
冒頭、隠れキリシタンと、そこから派生した混成宗教についてナレーションで語られます。
これが実にいい調子。 諸☆作品の映画化の導入部として文句なし。
映画的にアレンジされた部分に関しては「生命の木」に関しては概ね納得できました。
稗田登場の場面はマンガとは違いますが、これも悪くありません。
原作の少年が、映画では大学院生の女性になっていますが、私はこの藤澤恵麻という女優を
初めて見ました。いつも困ったような顔をしていて子供っぽい。
この女性が稗田を尊敬と憧れの眼差しでウットリと眺めるショットあり。
それどころか同室で泊まる場面もあり。 でも、この女優の個性ゆえに性の匂いは皆無。
稗田が異端ではあっても敬意を抱く者もいることをウットリ顔で示しているわけで
この女優の個性・・・ならびに演技の拙さを巧妙に利用していると言えます。
よって、この役柄を女性にし、この女優を配したことによる弊害はほぼゼロ。
あ、ゼロではないかも・・・彼女のナレーションが被さる場面があるけれど、
あの可愛らしい頼りない声は諸☆ワールドの雰囲気を少々損なっているように感じました。
事前にこの映画は「生命の木」だけでなく「天神さま」も加えられていると聞いていましたが
確かに神隠しの話が加わっているものの「天神さま」ではありませんでした。
正直言って、この神隠しの話と「生命の木」が巧く噛み合っていません。この点は実に残念。
でも、和服の子供を画面に登場させたかったのかもしれません。そう解釈すれば許せます。