雨が好きだ 世界の輪郭がぼんやり煙って 私も一緒に吸い込まれそうになる
回想
幼いはぐ(小学生?)が修の家に遊びにくる。
東京から帰ってきていた修は部屋で畳の上で昼寝をしていた。
はぐは修にタオルケットをかけ、体育座りで寄り添い外の雨を見つめている。
雨の音が好きだ、すごく落ち着く、やさしく手当てしてもらってるみたい。
修ちゃんは雨に似ている。姿を見るだけでほっとする。いつだってやさしく手を差し伸べてくれた。
その手は温かかった。
いつのまにか体育座りしてたはぐは修とタオルケットを一緒にはおって寝ていた。
そうだ修ちゃんはきっと私の雨だ。一緒にいると深く息ができて草や木みたいに
ぐんぐん伸びてゆけそうな気がする。
目が覚めた入院中の病室のはぐ。付き添いの修がうつぶせで寝てしまっていた。
その修の頭を左手で抱き寄せる感じで触れるはぐ。
私のだいじな だいじな ひと
場面変わって 森田と竹本がホームレスのごとく寝てしまい
目が覚める。時計を見ると5時。いつの5時?と言ってたが
朝日が昇ってきたので朝らしい。
川辺でコンビニで買ったものを食べながらその食べ物は俺のだと子供っぽい森田に対して
竹本ははぐはこんな男じゃなくて修を選んで正解、自分もくやしいけど考えたら
はぐを幸せにできるのは自分でも森田でもなく修なのだと。
カチンときた森田は竹本と取っ組み合いのケンカになる。
森田「とっくの前にフラれたお前に言われたくない。」
竹本「森田にだけはとられるのは嫌だった。
自分は金も才能も持ってない。どーせとられるならそういうのじゃなくて
優しさや誠実さにとられた方が気が楽。だからはぐが修を選んでくれてよかった。」
森田は才能のせいで人間関係がわずらわしくなっていたのでそういうのから逃げたかった。
だからはぐを道連れにしようとした。
修のほうがはぐを幸せにできるって事は自分にだって解っていた。
川辺で殴り合いをしていた二人だが老人ギャラリーが集まってきたのでやめて仲良く学校に戻る。
学校、研究室にて昨夜のはぐの病室での座り寝のせいで肩と腰が痛いと言ってる修。
物音がしたので廊下にでるとゆうパックサイズのダンボールがあり
開けるとぜったいに治してやれのメッセージが書かれてぎっしり札束が入っていた。
森田だと気づく修、窓を開けて外を歩いてる森田を見つけるやいなや
森田と叫びダンボールを森田に投げかえす。
正直助かる、有難く使わせてもらうと三束くらいの札束を手にした修はこのくらいで充分、
絶対に返すけど金は返すがはぐは返さんっという修。
カチンとした森田はこれで終わりと思うなよ覚えてろというが
修は覚えてる、絶対に治す、また描けるようになると返事する。
森田「・・・お前さ アイツの事好きなのか?」
修「ああ好きさ 大好きさ!!」
研究室に入ってきた山田はその会話をきいて驚く。
勿論、外にいた教授陣や生徒達にもまる聞こえです。
動揺する山田、恥ずかしさのあまりよろける修、
そして『忘れないね 私もずっとあなたの事みてる ずっと ずっと』と
はぐが言った言葉を胸に森田はその場を去る。(※学校に戻ってきたのは森田だけです。竹本は不明)
8月特大号(6月28日発売)につづく