いしいひさいち・ののちゃんPart4

このエントリーをはてなブックマークに追加
9263186 ◆0YO4VIyEkQ
3/29 今日のののちゃん
1:道を歩いていたまつ子としげは、どこかの家の塀越しに咲き乱れる桜の花にふと足を止める。
まつ子「ここの桜は満開や。」
しげ「見事やなぁ」
感嘆するまつ子としげ。

2:その時。塀についていた勝手口が開き、中から品の良さそうな老婦人が出てくる。
老婦人「よかったらどうぞ。」
ゆったりとした微笑を浮かべ、しげとまつ子を塀の中に招き入れる老婦人。

3:老婦人「実はウチの桜じゃございませんでしてね。」
実はこの桜は、老婦人の家の庭に生えているのではなく、老婦人宅の隣家の庭に生えているものが枝を老婦人宅に張り出しているのだった。
隣家との塀越しに、しげとまつ子に桜を見せる老婦人。

4:老婦人「よかったら1本どうぞ。」
と、どこからか鋸を取り出し、桜の枝をぶった切ろうとする笑顔の老婦人。よく見ると老婦人の額には怒りの青筋が浮き出ている。
塀の向こうから、隣家の住人と思しき禿親父が怒りに満ちた表情で老婦人を睨みつけている。
慌てて逃げ出すしげとまつ子。

・老婦人と隣家の住人との確執が凝縮されてます…桜が散った時には花びらは殆ど老婦人宅に落ちるだろうから掃除は老婦人がする羽目になるだろうし、季節が進めば毛虫が大発生するしで、こりゃ立派なトラブルの種だ…。