相田裕「GUNSLINGER GIRL」＃15

>>484
キシュッ！　キシュッ！
バン！　バン！　バララララッ！
さわやかな朝の銃声が、澄みきった青空にこだまする。
イタリアの街中に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な
笑顔で、テロリストどもをなぎ倒していく。
条件付けされた心身を包むのは、大きな銃と小さな幸せ。目撃者の少年は
逃さないように、担当官の命令には逆らわないように、冷徹に始末するのがここでのたしなみ。
もちろん、マフィアの元幹部をギリギリで見逃すなどといった、はしたない義体など存在していようはずもない。

公益法人社会福祉公社。
首政府により作られたこの機関は、表向きは身障者の支援のためにつくられたということになっている、
政府の為の汚れ仕事を請け負う特殊な諜報機関である。
イタリア。マフィアの勢力を未だに強く残している争いの多いこの国で、機械の体を与えられ、
銃器から格闘術までの暗殺教育がうけられる乙女の園。
ＣＦＳ症候群の為、１１歳になるまでベッドから起き上がれなかった少女でさえ、
八十パーセントを義体に替えれば人間以上の身体能力が軽々と発揮できる、
という技術が試験的に使われている貴重な組織である。