三浦建太郎【ベルセルク】56

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665名無しんぼ@お腹いっぱい
唐突に化物が「マザー!」と叫びつつ、大都市に登場する。
 主人公は弥勒菩薩の力を手に入れた、元銀河警察官でヒロインとのファックのフィーリングを忘れたために弥勒菩薩の力が使えなくなる。
 しかし、同じく宇宙から現れた3人のボーグマンもどきの美女のひとりのファックすることにより、フィーリングを取り戻し、化け物を倒す。
 だが、化物は死んでおらず、ヒロインの悪夢の中にたびたび現れ、ヒロインが「助けて弥勒様〜!」…と叫びつつ物語は終わる…
 この物語を見て、「おお!すばらしい」と思った方には私が自信を持って言ってやる。
 馬鹿。
666名無しんぼ@お腹いっぱい:03/03/31 12:07 ID:icPC3Cti
…ほかにもラピュタそのまんまの設定でストーリーと作画だけが悲しくなるほどお粗末な「パルティス」。
 桜井智が出演していることで一部で有名になっている伝説の超駄作、「レモンエンジェル」など質の低いHアニメは枚挙にいとまがない。

 

   し・か・し、である。
667名無しんぼ@お腹いっぱい:03/03/31 12:08 ID:icPC3Cti
いつの時代にも、掃き溜めの中に鶴がいるように、粗製濫造の嵐が吹き荒れるHアニメーションの世界にも喜ぶべき例外が存在する。
 それが「うろつき童子」である。(えらく前振りが長かったが、まあそういうことだ)

 OVA「うろつき童子」は、ワニマガジン増刊の前田俊夫の伝奇コミックスを原作としている。
 その内容はいわゆるエログロと呼ばれる類のもので、一般には「気色の悪い性描写をウリにする、昭和50年代風風俗劇画」という認識で受け止められている。
 だから、私が「うろつき童子ってすごいんだぜ!」と言っても、まず100人に100人が「え〜?」という顔をする。まあ、それも無理はない。
 原作のグロさは正常な神経の人間が正視できるようなものではなく、アニメ画風のHマンガに慣れた現代の世代からして見れば、謀図カズオのマンガの方がまだ受け止めやすいと言えるからだ。
 しかしそうした良識あふれる読者諸兄にはここで一言言っておきたい。
668名無しんぼ@お腹いっぱい:03/03/31 12:09 ID:icPC3Cti
「OVAのうろつき童子は、原作とはまるっきり別物である!」

 おわかりいただけただろうか?
 何、まだ納得がいかない?
 まあ、そうだろう。世間一般におけるうろつき童子をイロものと見る風潮には根の深いものがあり、1枚や2枚の原稿で覆るくらいなら、わざわざこんな企画は組んでないってもんだ。
 では、実際にストーリーから説明していくとしよう。
 これを読めば、「うろつき童子」がほかの駄作とは一線を画す、作品として高い完成度を持ったアニメーションだということがわかってもらえると思う。
669名無しんぼ@お腹いっぱい:03/03/31 12:09 ID:icPC3Cti
主人公南雲は、冴えない中学生である。
 どのくらいさえないか、というと女子更衣室に忍び込んでロッカーに隠れ、マスをかいているのだからとにかく冴えない。
 そんな彼が密かに心に思いを抱いているのが、本編のヒロイン明美である。
 ところが、ある日南雲はとんでもないものを目にする。保健室に呼ばれた明美が、教師に化けた怪物にファックされるのだ。
 そこに現れた謎の少年、天邪鬼によって明美は救い出されれるが、南雲はこの事件を境に物語の大きな流れに巻き込まれていく。
 天邪鬼は、獣人である。彼はある周期ごとに現れるという伝説の「超神」出現の報を聞き、それが作り出すという新世界を見届けようとやってきたのだ。
 驚いたことに、その超神とは南雲だった。生命の危機より、超人として覚醒した南雲は破壊と殺戮の限りを尽くす。
 世界をバラバラに解体し、魔界、人間界、獣人界の境さえ、破壊しようとする南雲。
 天邪鬼は初めて「超神」の真の姿に気づき、それを阻止しようとするがときすでに遅く、人類社会の崩壊が始まる…


   とまあ、こんな調子で第1部は終了する。
670名無しんぼ@お腹いっぱい:03/03/31 12:10 ID:icPC3Cti
Hアニメだからどうだからという以前に、その黙示録的エンディングには大いに慄然とさせられたものだ。
 これだけのストーリーが、魔術的とも言える最高の作画レベルでやられるんだぜ?
 アニメファンがこれを見ずにどうする!といいたくなる私の気持ちも分かってほしいというものだ。
 つまり、「うろつき童子」は(原作はともかく)重厚なストーリーと丁寧な構成・演出、それに完璧な作画でつづられる壮大なSFストーリーなのだ。
 過激なことで知られるHシーンにしても、他の18禁作品のように脈絡のない場当たり的なものではなく、独特の世界観を表現する上で重要なファクターとして使われている。
 ちょうど、永井豪の「バイオレンスジャック」においてセックスが世紀末社会を描写する上での手段となっていたように、「うろつき童子」では悪夢の神話世界の実現させるために、人間は虫けらのごとく殺され、女は犯されるのである。
 こうした、18禁ものとしてよりまずストーリー重視の作風はシリーズを重ねるに連れて強くなっていき、「未来篇」のエンディングなど、宇宙に飛び出すヒロインアレクトーと武獣との感涙ものの別離シーンまで用意されている。
 各シーンの見せ方も心憎いまでにカッコイイものが目白押しである。