浦沢直樹総合 その4

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624Dr、ギーレンの報告書
以上の事から、史上類を見ない大量殺人事件の重要参考人である
「ヨハン・リーベルト(仮名)」を、
重度の「境界性人格障害」であると診断する。
また、苦痛回避の行動パターンとして、
「自暴自棄型」「攻撃型」が顕著である。
親、特に母親から受ける「見捨てられ不安」により、
人格形成に問題を起こすのが、この境界性人格障害だが、
ヨハンの場合、それをあからさまに体験することにより、
過度のストレスを受けており、同時に「許されない存在で
あるかもしれない自分」という苦痛を回避するために、
連れ去られた妹の記憶を受け入れるという罰を自ら受け入れている。
その結果、善悪、平等観、その他命に関する根幹的な倫理観を
完全に欠如する事となる。
なお、妹のニナ・フォルトナーは、「見捨てられ不安」や恐怖の体験を
兄に投影することにより、現在は、特に大きな精神障害、人格障害を
起こすことなく、日常生活を送っている。