【NO BORDER】日清カップヌードル

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98提供:名無しさん
「NO BORDER」第5弾。今回の題材は、「少年兵」です。
―――画面は、海に向かって歩く10歳ぐらいの少年を映しています。
浜辺に遊びに出るのかと思えば、彼の真剣な表情のアップからカメラが
切り替わると少年は自分の背丈ほどの銃を持ち、彼の背後に軍事施設
があることがわかります。彼こそが、「少年兵」です。彼が属するゲリラ
の集団なのか、その軍事設備は決して近代的とは言えませんが、柵の
前に立って海の方向を監視する少年の眼には、1人の兵士としての厳し
さがあります。
しかし、やがてある少女が軍事キャンプから歩み出て、少年兵に近づき
ます。少女は彼の妹のようで、厳しかった少年の顔は妹へ向ける優しい
笑顔に変わります。【少年兵は「兵」である以前に、「1人のあどけない少
年」である】ということを表現する瞬間。ここに、CMとして描きたかった
≪希望≫があります。
このCMの主人公のような「少年兵」は、世界中に30万人以上存在する
と言われます(※註参照)。ジュネーブ条約で児童の戦闘への直接参
加は禁止されていますが、紛争地域で育って親を殺されたり、人身売
買の結果兵士として育てられたり・・・といった様々な形で、世界40カ国
以上で18歳以下の少年兵が存在するとされています。
この子供たちが憎しみの中で育ち、やがて戦地に駆り出されていくこと
は、世界規模での憎しみの連鎖にほかなりません。戦う大人たちにはそ
れぞれの理由や大義があるのでしょうが、少なくとも子供たちをそこに巻
き込んで欲しくない、と願うばかりです。
このCMでは、「少年兵」という地球規模の問題を提起し、次世代を担う子
供たちに憎しみの連鎖をさせないように。。。との願いを込めています。
主人公がCM前半に見せる厳しい顔とさびしく切ない後姿に、戦う理由も
わからず銃を持たされる少年兵の悲しさが見えます。一方CM後半の妹
に向ける笑顔からは、彼の本当の優しさが見えてきます。ひとりの少年
として。子供たちが本当に美しい自然の中で、兵器ではなく好きなものを
持って自由に遊べるような世界が実現すれば良いのに、と願うばかりです。