今は亡き吉原のお店をしのぶスレ

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621名無しさん@ピンキー
 Sさんは28歳の総務マン、現職企業の業績不振から転職を希望している。総務という職種の特性上、多くの企業に応募可能なため、これまでに15を超す企業に履歴書を送っているのだが、未だ良縁に恵まれない。しかも書類選考は通って面接で落ちるケースが多く、一旦希望を持たされた後で落とされるという、受ける側にとっては最もストレスがたまる展開が続いていた。

 我々の眼から見る分には、決してSさんが面接受けが悪いタイプではない。たまたま強力なライバルがいたりと、運がないという印象だったのだが、Sさん本人はひどい自信喪失に陥ってしまった。
 不採用の連絡が10社をこえた時、Sさんは滑り止め企業が欲しくなり、直接応募でA社に履歴書を送ることにした。A社の求人は年収350万、会社は小規模で設立から年も浅く安定性に疑問がある。Sさんの希望条件はほとんど満たされていないものの、確実に内定がとれそうな企業に応募したいと考えたのだった。

 仮に内定を出ても入社する気がない会社に応募書類を送るというのは、誉められた行為ではないが、1社のみの内定で選択の余地なく転職するより、どんな企業でもいいから複数の内定をもらい、選んだ結果として転職するほうが、入社後の仕事に対してモチベーションは高まるものだ。
 何より不合格が続けば誰でも気持ちがふさいでしまう。自信を取り戻そうとしたSさんの心情を非難する気にはなれない。

 しかし「滑り止め」と思ってA社に応募したのは、Sさんに悪い目に出てしまった。A社からも不採用の通知を受け取ってしまったのだ。不採用と言っても「うちの会社にはもったいない人材だから」という敬遠されるような理由もあるだろうし、たまたまコネで採用できてしまって、求人が終了してしまった事も考えらる。我々の仲介であれば企業側の事情を確認することも出来たのだが、直接の応募であったため、A社は不採用の理由をSさんに通知しなかった。結局、「今の自分は年収350万の価値もないのか」とSさんは、一層、自信を失ってしまうことになったである。