いままでボクちゃんが見てきたなかで
一瞬、ほんの一瞬だが猪木を超えたレスラーは2人いる。
『INOKI闘魂LIVE』においての前田日明と『猪木ファイルカウントダウン』でのグレート・ムタの2人である。
おそらくこのことに万人に異論がないだろう。
まあ、プロレスというのは対戦相手との共同作業である
相手あってこその世界観である。
そういう意味では前田は恵まれていたのは確かだ
ドン・ナカヤ・ニールセンなんてのは根っからのプロレスラーである。
え!?ニールセンってマーシャルアーツ(アメリカンキック)でしょ?なんて声も聞かれるだろうが
彼のキックでの試合を観ていただければ納得するのではないだろうか
カーマン戦を観ていただければわかると思うが
ニールセンは根本的にキックの基本がなっていない。
キックではからっきしなのである。
しかし、潜在能力的レスラー気質のニールセンにとってはプロレスのリングは彼のイマジネーションが広がる場である。
しかも、受けなくていい。ただキックとパンチで攻め続け、グランドに持ち込まれたらロープに逃げればいいだけである。
藤原戦、山田戦を観ていただければわかると思うが
プロレスのリングは彼にとって最高の場であるのは間違いないであろう。
それに比べてガチの実績のあるスピンクス、アーツ、ホースト、バンナなどの
ショボいことショボいこと(笑)
ガチとプロレスでは使う脳みそが違うことは一目瞭然である。
そういった意味においても前田は恵まれていた。
ただ逆に『猪木vsニールセン』『前田vsスピンクス』ではどうであったろうか
当時のニールセンは猪木の相手として若すぎるきらいがある
『ホウキ相手にプロレスできる』猪木なら、それなりの試合を作れたであろうが
お客はいまいち乗れなかったであろう。
前田、スピンクスは言わずもが対戦相手としてロートルすぎである。夢がない。
これがプロレスの難しいとこであろう。
『運も実力のうち』
前田が猪木を確かに一瞬超えた日である。
※因みにこの日86年10月9日(国技館) 奇しくもスペースローンウルフ武藤敬司【凱旋帰国】である。