また、この他に「花の慶次」の影響が強く見られる部分として多くの
小説やゲーム、ドラマなどで同世代の豊臣秀吉、前田利家、徳川家康
が老年や中年として描かれるのに対し利益のみが若者として描かれる
事が挙げられる。しかし利益の生年は上述の通り1533年、1541年説が
妥当とされ創作物で多く描かれる出奔時は57歳、または49歳と、あの
時代では老境ともいえる年齢に達していたのが史料的には適当である
。もっともかなり信憑性は低いものの、1555年説を採用するならば出
奔時は35歳の壮年となり、秀吉、利家らの一世代下の若者として描写
されることを完全に否定することはできない。