◆◆◆◆◆ 六月の花嫁単独スレ ◆◆◆◆◆

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516名無しさん@ピンキー

◆◆◇◆◆ケンちゃん小話その4◆◆◇◆◆

 ある日の昼下がり、ケンちゃんは客を日暮里まで送りにいった。駅に着き、
後部座席の客を降ろして一礼した後、ホッとしたのもつかの間、どこからなのか
ケンちゃ〜ん≠ニ呼ぶ甲高い声が聞こえてきた。振り向くと、3時出勤の
上原ゆうな嬢が66番の黒クラウンを目掛けて走ってくるではないか!
上原さんは巨体である。まるで、その光景は飢えたメスのカバが子羊に向かって
突進してきたかのようであった。

 ケンちゃんは、六花の数入る女の子の中でも上原さんは超苦手である。
なんといっても、あのキンキン声。口から生まれた来た女のような弾丸トーク。
またたく間に上原さんはケンちゃんに口撃をはじめた。
”ケンちゃ〜ん、いい時に来たわあ。私、3時から予約はいってんのよ。
急いでね。お願いっ!”

 ケンちゃんは勝手にタクシーに乗っていけばいいのにと思ったが、上原さんは
すでに車の中。気の小さなケンちゃんは何も言い返すこともできない。勝手にし
ろと思いつつも、ケンちゃんは吉原方面に車を向けた。車中で化粧を始める上原
さん。上原さんの化粧は厚く、香水もキツイので有名だ。店内業務で疲れている
ケンちゃんは思わず吐きそうになったが、ここはボーイ魂をみせて耐え忍んだ。
(次に続く)
 
517名無しさん@ピンキー:02/02/17 18:50 ID:5hR+Jt/5

◆◆◇◆◆ケンちゃん小話その4(続き)◆◆◇◆◆

 しかも、車の中で最近のファッションやグルメの話について、ケンちゃんに話
かける上原さん。しかし、ケンちゃんはそのような話にはまったく疎い。ただた
だ、うなづくだけである。狭い車の中で上原タンの化粧の匂いとキンキン声に悩
まされたケンちゃんはもはやゲロゲロ寸前のグロッキー状態。
ようやく車は店に着いた。

 さすがにケンちゃんはトイレに直行。しかし、あいにく1階のトイレはお客様
が使用中。我慢できずに、2階のトイレに駆け込もうとしたケンちゃん。
ノックもする余裕もなくドアを開いたら、なんと小用を足していた松本はづき嬢
がしゃがんでいるではないか!松本さんから、”み・た・な〜”と睨まれたケン
ちゃん。思わず、その迫力にちびってしまった。
挙句の果て、噂はあっという間に広がり、コンパニオンの中でケンちゃんは痴漢
扱いされる結果となってしまい、”痴漢の小坊主”というなんともありがたくな
いニックネームをいただいてしまった。

 またもや、六花のお姉さんたちと新たな遺恨を作ってしまったケンちゃん。
名誉挽回の日を夢見て、今日も一流のボーイを目指してケンちゃんの修行の
日々は今日も続く。