「静かなるカリスマ」:ヘレヴェッヘを語ろう!

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>>55
シャペル・ロワイヤルだった。スマソ。

"Ave Maria"でいうと、たしかにヒリアードの方が完璧かもしれない。
Ave cujus nativitas,
Solemni plena gaudio,
・・・
あたりの厳かな響きは聴いていて別世界に入っていく感じがする。
俺がルネサンス音楽を聴くきっかけになった演奏だし、
決してこの演奏が劣っているとは思わん。
けど、今はあまりに静的に思える。

シャペル・ロワイヤルは、フレーズがよく流れて自然に沸起る感興がたまらん。
たとえば、
Nostra fuit solemnitas,
Ut lucifer lux oriens
Verum solem praeveniens.
のところなど、歌詞が元々持っているリズムを利用して一気に盛り上げるのだが
それが全くワザとらしくない。
最後のホモフォニックになるキメの部分などもそれまでの緩急が効いているからこそ
ピタリと決まる。

ヒリアードは男声だけだし、どこか現実世界とは隔絶したものを感じる。
修道院で神を讃えている感じかな。
シャペル・ロワイヤルはもっと人間的。
言葉のひとつひとつに実感がこもっていて、民衆が素朴にマリアに感謝を捧げる風情。

ま、優劣じゃなくて俺の好みはどちらかというと減れ盤ってこと。
ラッススの聴き所や、それ以外にもお薦めの減れ盤があれば語って欲しい。