ブラームスのsym.4thって大好きなんですけど。

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309ブラ4日記
バルビローリ、ウィーン・フィル(1967)
テンポは確かにかなり遅く、その上、ここぞというところではさらに
テンポを落として、タメを効かせつつ、弦が濃厚に、あるいは啜り泣く
ように歌い上げる、バルビローリ節の絨毯爆撃!弦の響きの豊かさ、
多彩さは特筆ものですが、それでいて弦と管のバランスも見事に
取れているのがさすがですね。ウィーン・フィルの独特の音色を
十全に活かしているますし。
(ちょっとやりすぎと思うこともしばしばですが。)
主に強弱よりもアーティキュレーションによって変化をつけていて、
第1楽章の再現部で第1主題を聞き手の胸を締めつけるように奏で
はじめるヴァイオリンや335小節での万感の思いを込めたような
弦の歌など、このバルビローリ盤ならではの特色でしょう。こうした
弦の歌が最高に活かされるのが第2楽章。提示部での第2主題の
弦による旋律美の描き込み、思い切り粘りながら感情を溢れさせる
ような再現部の98小節以降など、もう催涙弾が雨霰。逆にバルビローリ
の個性が合わないと感じたのは第3楽章で、テンポが遅く弦が粘り
過ぎて、重たくなりすぎてますし、180小節以降のほとんど止まり
そうな遅さも個人的には疑問。ただヴァイオリンによる第1主題
補助主題の優しい表情などはも他の演奏ではまず聞けないこの盤
ならではの箇所。冒頭の主題提示にして既に哀感漂う第4楽章は、
重々しい足取りの第1変奏から第2変奏にはじまり、第4変奏の濃厚さ、
第11変奏以降の中間部でのすすり泣くような弦、そして第30変奏から
経過句を経てコーダへ向けて引きずるような展開など、一歩間違え
ればかなり下世話なものになりそうですが、木管には弦ほどには
表情づけはさせず、ひたすら美しい音色だけを活かしていることや、
最初にも触れた管と弦のバランスのよさもあって、ぎりぎりの
ところでかろうじて品格を保っているように感じました。
しかし、もう、お腹いっぱいです。