ブラームスのsym.4thって大好きなんですけど。

このエントリーをはてなブックマークに追加
199ブラ4
世間が盆休みというのに、その休みを返上しなくてはならないのは
ツライなぁ。

カラヤン、PO(1955)
カラヤンという人は、曲のもっともおいしい部分を最大限に効果的に
聞かせながら、それらの個々のパーツを全体として矛盾なく(この
*矛盾なく*がポイントかな)滑らかにまとめる術に長けた指揮者と
いう、私なりのカラヤン観というのがあって、その技を見事と思う
こともあるのですが、一方でその予定調和的な安定が退屈に思われたり
もします。
で、この演奏もそうしたカラヤンらしさが出た演奏といえますが、
なかなか瑞々しい(笑)演奏になってます。POの音色もやや腰高な、
明るく軽いものですし、速めのテンポもそう感じさせるのかも
知れません。第1楽章の冒頭の一音をさりげなく(ほんとにさりげなく)
伸ばしたりする技を効かせてますが、まあ解釈も素直です。
第4楽章の入りなど、柔らかく入っていてあまり偉そうではない
のも特徴です(笑;*1)。
その第4楽章は、ひたすら千変万化する旋律を次々と流麗に
つながらせていって、あっという間の10分弱でしたが。
またそうした演奏の性格上、この楽章ではここまでの演奏に比して
ドラマティックな迫力が乏しい感は否めませんでした。
あと聞き所は、シゲッティが「上質な弦楽四重奏団の精緻さ」と
いった当時のフィルハーモニア管の上手さ。その辺は弦だけで
はなくて、第1楽章再現部手前の弦と木管の対話とか第4楽章の中盤の
木管が次々と旋律を受け渡していくあたりの呼吸など見事でした。
第2楽章冒頭の主題を滑らかなフレージングで吹いているホルンの
一人は、やはりデニス・ブレインでしょうね。
EMIの趣味の悪いジャケの国内盤で聞きました。そういえば、
これ我が家にあるブラ4の最古のステレオ録音です。
*1 この笑いは後年のBPOとの77年盤を知っている人には
  通じる筈