HHHグスタフ・レオンハルトHHH

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76ほいみ
>>75
自宅へ帰っていくつか本を読んでみたら、フォルケルの
「誰にも真似できない調律方法であらゆる調性をひきこなした」という記述もありました。
ただ、フォルケルはバッハとかなり世代が離れた人物なので
その記述を論証の原資料とするのは危険だと私も考えますが。

いわゆる「平均律クラヴィーア曲集」を世に問うたのも
「不等分律 → 平均律」の志向を意味すると私は考えます。
「平均律クラヴィーア曲集」の言葉の解釈が今日分かれていることを念頭においても。
バッハはこの曲集で、個々の調律の鳴りを前面に押し出すというよりも
全ての調律の曲を配列させた「百科事典的」なアプローチを表出したのではと。
不等分律で調律された「平均律」の演奏が、バッハの不等分律支持を納得させるほど
目立った効果を見せているとは私は思えなかったですし。

もっとも、「平均律クラヴィーア曲集」を論文的な意味合いで出したのであれば
バッハ自身が常々実践していた調律法と距離があっても不思議ではないですが。

注意すべきは、「数学的に算出した厳密な平均律」を
当時の平均律支持派の作曲家が実践していたというわけではないこと。
あくまで傾向、つまり「不等分律 → 平均律」か「平均律 → 不等分律」かということ。


ちなみに、ラモーのケースはもっと明確です。
ラモーが1737年に自身の論文「和声発声論」で平均律を支持しています。
その点をライバルのルソーに突っ込まれて「ラモー自身の主張に矛盾している」と批判されたりしてます。