敢えて問う!シリアス音楽家としての坂本龍一No.3

このエントリーをはてなブックマークに追加
36名無しの笛の踊り
坂本がカッコよかったのはクラシック/現代音楽を捨てて
テクノ・ポップ、アーヴァン・ポップス界にやってきたからだ。

若い人には想像できないかもしれないが、当時はクラシックとポップスの
垣根は高かった。「クラシックはよい音楽で、ロックは不良」
「民族音楽は音楽ではない」「電子音は人間をダメにする」
そんな時代に登場した「坂本龍一」というブランドは、ある者にとっては
「転向者」「敗北者」であり、またある者にとっては「壁の向こうから来た
亡命者」だった。そして「亡命者・坂本」の姿が私の目には戦闘的英雄に
映った。

しかし、時代は変わった。「すべての音楽は当価値」であり
「ジャンルに優劣なし」。それが常識となるやいなや「現代音楽出身なんです」
と言わぬばかりの節操のない創作活動は、失笑と嘲笑の渦にかき消される。
熱心な「坂本教」信者の崇拝なしには、もはや風前の灯でしかない彼自身だ。

初心に返りたまえ!