青藍の誉れ・泥鍋せんせの有難いお言葉

このエントリーをはてなブックマークに追加
388使いまわししてみた
ベートーヴェン交響曲第三番

基本的には第ニ番と、そう大きく変らない。しかし、随所に不協和音的な響きが
入ってくるのは、彼が新しいスタイルを獲得しつつあることを示唆している。
第一楽章は、ヘミオラを多用し、優美な旋律が主導を取るが、これを打ち破るかのような
テュッティのスフォルツァンドはこの曲全体が第ニ番よりも変化に富んでいて、ここにも新しい
様式を模索しているベートーヴェンの姿が窺える。そして驚くべきことに第三楽章のトリオは
スケルツォなのである。書法は実に緻密で、一音たりとも無駄に書かれないというベートーヴェンの
真骨頂がここに凝縮されている。これも聴きにくくはないが、終楽章はあまりの緊張感で
聴くほうも疲れてしまう。