青藍の誉れ・泥鍋せんせの有難いお言葉

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363Rabbit
第五番
1934年完成
これも第四番と同じく五楽章構成をとるが、内容は著しく異なる。第三、第四番の無調的
不協和音の響きは消えうせ、調性的、民族的旋律が復活する。第一楽章冒頭を聴くだけで、これはひょっとしたらベートーヴェン?と思わせるほど
だが、やはり各楽章を聞き込む
につれ、最終楽章では民族舞曲的リズムにのってバルトーク独自の語法が現れる。
「弦、チェレ」が2年後に作曲されることを考え合わせると、この曲がバルトーク弦楽四重
奏曲、またバルトーク音楽の真髄といえるかもしれない。
明快で、聴きやすいというところも「オケコン」に似ている。ただし、こうした明快性を退行
と見る批評家も少なくない。確かに第三、第四番のような緊張感は緩和されている。