コーホー大先生のクラシックなんでも相談

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70コーホー
純ドイツ風に堅実で真面目一途、にこりともしないようなケンペだが、なぜか「金と銀」が大好きで、ステレオになってからウィーンフィルでまずレコーディング、さらにドレスデン・シュターツカペレで再録音している。どちらも曲への思いのたけをすべて吐露したような名演で、一部オーケストレーションを変えているところさえあるが(そのセンスがまたすばらしいのだ)、録音、オーケストラの状態を含め、ドレスデン盤の方がより完成度が高い。シュトラウスのワルツよりも魅力的な「金と銀」だが、ケンペぐらい真正面からシンフォニックに取り組み、しかも絶品のニュアンスでロマンティックに歌わせ、燦めかせた演奏は、他に皆無といえよう。