年に10本てことは、十年でたった(!)百回しか観れないって事だろう?
そんなんで十分てことは、別にオペラなんか好きじゃないんだよ、多分。
実演とCDのギャップがないとはいわないけど、好きな時間に好きな
所から好きなだけ繰り返して聴ける喜びは何にも換えがたいね。
死んじゃってうんぬんというならドラマだって、映画だって同じだろ。
大体君「ヴォツェック」や「ルル」「ポーギーとベス」がそう簡単に
観れると思う?
それに一度や二度みたくらいで「リング」や「トリスタン」が
理解出来ると思う?
もし日本でもベルリンやウィーン、ニューヨークみたいに毎晩オペラ
をやってくれるとうな環境だったら、君のいう事も意味があるけど、
来日オペラや新国くらいしかない(ソレも東京での話)状況では、
変わり者扱いされるだけだな。
あと過去の名演をCDできくのが、妄想??
だれだって昔の名演奏家が聴けるのなら例えノイズ混じりのヒドイ
音でも聴いてみたい、と思うのはごく自然な好奇心だろう?
もしモーツァルトの弾き振りするピアノ協奏曲の録音が、のこって
たら誰だって聴きたいと思うんじゃないの?
ブルックナーやワーグナーの動く映像があれば、何が何でも観たい
んじゃないか?
同じく伝説的な大歌手タマーニョだとかの歌を聴いてみたいと思わ
ないとしたら、オペラ好きとはいえないだろう。
ましてカラスやテバルディ録音は、最高とはいえないにせよ、
彼らの歌声を楽しむのになんの不都合もないレベル(オーディオ
マニア以外は)だよ。
たとえそれらは本来の意味でレコード(記録)だとしても、聴くのが
無駄だとは思わない。
過去の偉大な演奏家の記録と言う意味だけでも、十分その値打があるよ。
まあ、君の場合はあくまで自分が特別だと自覚したほうがいいな。