おい!すぐNHK見ろ! NO2

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17ほい
ジョアン・クウォン/ヴァイオリン(Joan Kwuon/violin)
http://www.nhkso.or.jp/library/solist/0105/0105kwuon.html
 5月定期AプロでN響と初共演、ブラームスのヴァイオリン協奏曲を独奏するジョアン・クウォンもまた、チョン姉弟に通じる激しさと知的な優美さをあわせもった韓国系アメリカのヴァイオリニストである。
 生まれはロスアンジェルス。6歳の時、公立小学校の音楽の授業でヴァイオリンと優れた教師に出会った。12歳でオーケストラと初共演。この時、「私は音楽を奏で、それを多くの人々と分かち合いたいのだと悟って」、ヴァイオリニストの道を進むことを決意したという。その後、インディアナ大学、ジュリアード音楽院、クリーヴランド音楽院で学び、M. フリード、J. スミルノフ、D. ワイラースタインのもとで研鑽を重ねた。後に、アーヴィング・クライン国際コンクール、パーム・ビーチ国際ヴァイオリン・コンクールで最高位入賞を果たして本格的な演奏活動を始め、アメリカ国内のオーケストラを中心に、韓国管弦楽団などに客演する一方、室内楽奏者としてタングルウッドなど、各国の著名音楽祭に出演して、着実に実力を蓄えていった。
 今回の定期で共演が予定されていたアンドレ・プレヴィンがクウォンの才能を認めたのは、おそらく1999年夏のタングルウッド音楽祭のファイナル・コンサートで、クウォンがブラームスのヴァイオリン協奏曲を見事に弾いた時で、それで彼女をN響の楽員と聴衆に紹介しようと決心したに違いない。残念ながらそれはプレヴィンの指揮では果たされなかったが、クウォンは「ご自身もヴァイオリニストだった経験豊かなマエストロ・ワルベルクとN響との共演を胸をワクワクさせて待ち望んでいる」というメッセージを送ってくれた。最近のニューヨークでのリサイタルで、「チャーミングさと優雅さを兼ね備え、大きな作品で知的な音楽性を発揮する」と評されたクウォンは、ブラームスの協奏曲に恰好のヴァイオリニストではあるまいか。(近藤憲一)