フーガの技法

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40名無しの笛の踊り
フーガの技法の草稿が大譜表の体裁で記されているもんだから、
二手の為の作品と勘違いしている人が多いらしい。
では、初版はどうよ? 総譜…オープンスコアの体裁で世に出された
のではなかったか、バッハはこの作品を出版する事に異常な程
こだわり、一曲ごと、出来あがる度に版刻にまわした。
あのバッハが版刻の際、全く校正に関与しなかったとは考えられないではないか。

草稿がバッハの他のクラヴィア作品と同じ大譜表の上に記されている
からといって、フーガの技法が二手の為の作品だという根拠にはならない。
バッハが単に記譜の便宜上、そうした可能性があるからである。

フーガの技法初版には、何故か、第13曲の二台クラヴィア用異稿が附録として
添付されている。この異稿がバッハ自身の手によるものかは知らないが、
これは、フーガの技法を鍵盤楽器で演奏するということであれば、
二人の奏者、二台の楽器が必要である事を示唆しているように思われる。