アバド(およびそのファン)ってどうよ。

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587ブルックナー5番
いやはや、凄い演奏でした(^_^)
座席は、ステージのすぐ左側の3階1列目。アバドの真横(^_^)
このコンビ、何度か聞いてますが、こういうかぶりつきは初体験。
これがなかなか正解でした。このコンビを楽しむには、結局、これが一番でしょう(^_^)

協奏曲のあと、弦の奏者は全員アンコールの譜面を準備していたのに、
アンコールはやらずに解散。少々損したかななど、下世話な感情も沸いたものの(^_^;)、
待てよ、これは、アバドがツアー最後の演奏、ブルックナーに全力投球する気持ちからかと、
逆に期待していると、まさにそれが的中という感じの、全員一丸となった渾身のブルックナー。
(まあ、オーボエは、前日同様、シェレンベルガーが下りてくれればという個所もありましたが)

シャープに鳴りまくる金管は、最後のコラールでも圧倒的なパワーで、言うことなし。
コントラバスも第2楽章のトレモロやら、終楽章のフーガ冒頭で、全員が入魂の演奏。
もちろん、弦楽合奏だけの部分も、聞き応え十分の厚みのある素晴らしい妙技。
ヴェルツェルのティンパニも、竹撥を使っての振りの大きい典型的なドイツ奏法で、
82年にヨッフムの指揮で聞いた際のテーリヒェンも思い起こさせる、なかなかの力演。
(まあ、演奏の味というか、妙味という点は、テーリヒェンには及ばず、これからでしょうが)

ちなみに、このヨッフムのときは、木管は全部2人ずつで(ツェラーとかコッホとかライスター
とかだったはず)、ソロは抜群でも、トゥッティの際の厚みという点では不満が残ったのですが、
今回は倍管で、そうした不満もなく、個人的には大満足。

金管の音色は、ザイフェルトなどが抜けたとはいえ、そう大きく変わってない印象ですが、
ヨッフムの時は、最後に朝比奈さん同様のバンダがあって、やたら金管重視の演奏だった感じ。
それも一つの行き方でしたが、バランス的には今回の方がよかったことになるでしょう。
(ヨッフムはコントラバスも7本に減らしていた。)