マウリツィオ・ポリーニ

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>>21

単純な例として、右手上行3→4→5の順に運指が進む速いパッセー
ジで、打鍵が乱れます(4/5の指に十分な力が伝わらない?)。
この時、離すべき音の離鍵が遅くなるのが致命的で、個々の音の分離
が悪くフレーズがはっきりしなくなったり、響きが混濁します。
ポリーニのショパン・バラードのCDでも散見されることですが、一
般の人がこんな弾き方をすると、ピアノの先生に怒られますね。

リストのソナタはCDよりも5〜10%増しくらいのテンポでした。
そのテンポでもオクターブのパッセージはまずまずでしたので、
CDと同じくらいのテンポに落とせば明らかな技巧上の問題は露呈
しないかもしれません。
私としては1990年の段階でも80年代初頭と比較すると、若干の陰り
が見えてきているように思います。