マウリツィオ・ポリーニ

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20名無しの笛の踊り
(つづき)
アンコールはショパンのノクターン&プレリュード&エチュード、ドビッシーの
エチュード、リストの超絶技巧となんだっけ?6曲くらいやったんですけど、
やはり技巧的な曲で指が十分回ってないことがわかるのが悲しかったです。
ショパンエチュード10-4も右手は弾けているのですが、左手パッセージになると
弱い。ポリーニは左手が弱いというか、やや無神経なところがあると思うのですが、
それを裏付けてしまった感じ。

先月キーシンのリサイタルを聴きましたが、ポリーニよりも得るモノが多かったです
し、感動も感心もさせられる演奏でした。
ポリーニは、技術的に落ちてきているにもかかわらず、技巧で乗り切ろうとしている
箇所が痛々しく思えます。ただし、その点だけを取って「ポリーニは終わった」とい
うのは、結局、今まで技術面しか彼を評価しなかったことの裏返しです。また、それ
だけで演奏の是非を判断するのは、いささか大人げない聴き方ではないかと思います。
特に、>15のような方はぜひ「もっと良い若手」を紹介していただきたいところ。

今回わかったのは、私は彼のイタリア人らしい開放的な明るさが好きなんだという
ことです。決して重くはありませんが、軽すぎない演奏姿勢も良いと思います。
技術面が弱くなったことは否定できないので、それにあわせて演奏内容も変化させ
ていくべきですよね。もっとテンポを落としても、彼らしい音色が出るようにしっ
かり打鍵した方が演奏効果は高いと思います。

長くなってすみませんでした。