新国「ライン」について語ろう!

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167名無しの笛の踊り
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あのローエングリンの評判が悪かった一番の理由は、
日本の評論家が「省略」という技法に慣れていなかったからだと思う。

一般に、舞台は「付け足す」よりも「省略」の方が難しい、ってのは基本でね。
今回のラインのように、ぬいぐるみを付け足したりするのは安直な手法なのよ。

むしろ、あのローエングリンのように、舞台上の役者の動きを制限して
動作を「省略」していく方向ってのは、肉を削ぎおとすついでに
骨まで削ってしまうリスクと隣り合わせだからね。
これは、骨格を細部まで知りつくしていないと絶対にできん
っていう高度な技法だよ。

日本の伝統芸能でいえば、「能」の世界が、このような「省略」の技法の極地だね。
もっとも「能」は高級武士の芸事であって、町人・百姓には無縁のものだったが…。
あのローエングリンについては「動きが少なくてツマラン」という批評があったが、
このような意見をマジで主張した評論家は、まったくの町人・百姓だと思える。

少なくとも評論家であれば、オペラの批評なんぞをする前に、
自分の国の古典芸能の勉強くらいしとけ、って思えるな。