エードリアン・ボールト

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51このボウルトを聴け!
>チャイコ「ロメジュリ」
 なんかの本で、ボウルトなら雄渾なワーグナーを聴けだのほざいたバカが
いたが何を勘違いしておるのか。
 ボウルトは、なんといってもチャイコである。しかも「ロメジュリ」は
これこそ、この曲のファーストチョイスだ。チェリでこの曲が分かった
つもりならば、一度聴いてごらん。ギリギリの均整取れた形式の瀬戸際で
聴かせる、ボウルトの情熱溢るる渾身のカンタービレと悲劇の強烈さ。
君はもうこれを聴いたら、後戻りできない…(なお、例のEMIの青盤(笑)
お持ちなら、バルビローリの「フランチェスカ・ダ・リミニ」がオーケストラ
演奏の持てる力を極限まで出し切った壮演。これと肩を並べるのはたぶん
クーセヴィツキー/BSO(RCA)の録音だけ。

>ワーグナーについて
 確かに、ボウルトのワーグナーは、ジェームズ某やダニエル某なんぞを
聴かされるくらいなら、こっちの方がマシである。
 だが、やっぱりボウルトのオペラ経験の薄さ(というか、独自のドイツ
的演奏法+トスカニーニの影響)が、“ヴァルキリー”をああいう意味不明な
バランスにしてしまったのだと思うが…。なのに、トリスタンはえらくセクシー
なんだな。なぜだ? とりあえず、パルジファルはOKですな。あ、あとボウルト
のワーグナーなら、フランス?盤の2枚組は絶対忌避してでも、英国直産の
「サー・エードリアン・ボウルト・コンダクツ・ワーグナー」3枚組を血眼になって
でも探すよーに、全く違うからね。