_ カール・リヒター _

このエントリーをはてなブックマークに追加
84名無しの笛の踊り
結局、リヒターのバッハ演奏を「モダン楽器、奏法によるバッハ演奏」と
「ピリオド楽器、奏法によるバッハ演奏」の対立として前者のカテゴリーに含めて
彼を評価するか、そういった対立とは分けて評価するかによって意見が分かれると思う。
俺は後者。リヒターの演奏はメンゲルベルク、ヨッフム、カラヤンといった
大指揮者の演奏とも、ミュンヒンガー、イ・ムジチ、パイヤールといった
室内管弦楽団の演奏とも異なるから。
自己流とはいえ、リヒターが楽譜と対峙して得た多くの表現は
バッハの音楽が持つ深い側面を的確にとらえていると考える。
とっさに思いつくものとして、カンタータBWV56の最終曲のコラールの演奏が挙げられる。

また、リヒターのオルガン演奏は他のオルガン奏者による代わりのディスクが未だに
見つからないものが少なからずあるから、今でも聴く。
バッハのオルガン演奏という観点から、現在はオルガン奏者がやや人材不足だと俺は思う。
録音で全集を組んでいるトン・コープマンの他に注目すべき現役演奏家がいたら
ぜひ教えていただきたい(別に煽っているわけではない)。
俺はウォルフガング・ツェラーとライナー・オスターしか思い浮かばない。
しかも彼等は録音が少ない。