☆ジャパンアーツ☆

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31名無しの笛の踊り
特に経歴詐称というのは重い過ちです。
私が多少知識のある美術の世界の話で恐縮ですが、例えばある自治体が婦人センター前の「母子像」を作ってもらうのに、予算が少ないので若手で有望な作家を「作者選定委員会」を作って選ぶような時、役人や議員や議員の知り合いの怪しい「有識者」ぐらいでは、作品写真を見てもわからない。そのようなときに経歴書は威力を発揮します。賞を取った人なら、ということになるのです。
世の中は、才能があればいつかは誰かに認められて、という理想とはかけ離れた所があります。チャンスを掴もうと多くの若手がしのぎを削る中、経歴詐称をする者がいて他の人のチャンスを奪えば、本人はいいかもしれないが、それによって選にもれた人の人生を変えてしまう、あるいは遠回りさせてしまうことになりかねません。経歴詐称くらいあっても今活躍しているのだから良いじゃないか、という考えは、この事実を見ていません。

ですから、もし彼の受賞が事実でなければ、NHKの「若人のコンサート」などの新人紹介企画の出演者選定や、当時狭き門であった文化庁給費の選定に迷惑をかけてきたことになります。今となっては誰が被害者かもわかりませんが、少なくとも社会的にけじめをつけることは必要ですし、後になって発覚して叩かれるよりは、若い今それをする方が良い、と私は考えます。