89 :
名無しの笛の踊リーヌ:
散歩好きのサティがいつもの道を歩いていたとき。
ふと、公園で歩みを止めました。
−おや、あれは行き付けのカフェの女給の....
「おや、こんにちはベティさん」
「あら、サティのおじさん」
「そんな高いところに上って何をしているんだい」
「私、高いところが好きなのよ。おばかと煙は高いとこが好きって」
「そうそう、おじさん。最近カフェに来ないじゃないの」
「少し忙しくてね。また寄らせてもらうよ。」
「美味しいカフェオレ入れって待ってるね。」
観察眼の鋭いサティのことです。彼女の頬の涙の後は見逃すはずもありません。
−いつも明るく振る舞っていても、人に言えない悲しみを抱えているものだな」
「ジャングルジムのベティさんか。ジャングルジムのベティ....か」
そうつぶやきながら、公園を後にしたものでした。
その夜書かれたのが、有名な「ひからびた胎児」です(ってオイオイ)