176 :
書き屋:
書き屋の立場から言いますと、曲を書くとき無調で書こう、とか
この調で書こう、とかいうのは学生時代の習作を除いて殆どありません。
おそらく、殆どの作曲家がそうだと思います(仕事としてのポップスなど
は除く)。
しかし、一見(一聞)調性が無いように見えても格音(民族音楽的意味ではなく)が
出てくることもありますし、旋法が感じられることもあります。また、書いた
本人が意識していなくとも、他人がアナリーゼした結果、何らかのエクリチュールに
包括されることもあります(まぁ、理論は後付が多いのですが)。
作曲家によっても違うでしょうが、曲を書く際には調性、無調云々よりも
もっと大切なことがあるということです。確かに数十年前には理論武装も
流行りましたが。